読書丸

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イイから突き抜けたヤツになれ!~今いる場所で突き抜けろ!~

”好きなことを仕事にする”というのは理想的で多くの人が憧れるものではないだろうか。

その甘言に喝を入れているのが今回紹介したい本である「今いる場所で突き抜けろ!」だ。

 

この本は、好きなことを仕事にするにはただ好きなだけでは駄目であるということを言っている。

好きなことであっても十分なスキルもなく仕事にしてしまうと危険で、仕事としてうまくいかなくなると。

 

ではどうすればいいかというと、本書では、好きな仕事をして生きていくには”キャリア資本”というものを手に入れる必要があると言っている。

キャリア資本の蓄積なしには仕事として成功することができないということだ。

 

このことは仕事とはどういうものかというのを考えるとある意味当然である。

仕事というのは、本質的に他人への付加価値の提供である。

したがって、好きなことを仕事にするためにはその好きなことに他人に与えることができるような価値が存在しなければならない。

 

注意してほしいのが、好きなことを仕事にすること自体を否定しているわけではないということである。

好きなことをするのは個人の完全な自由であるがそれを仕事にしようとしたときにある意味問題が発生しうるということである。

 

この本は逆説的には、好きなことを突き詰めれば仕事にできる可能性があるということも述べているのではないかと感じられた。

一番の問題は、突き抜けられるほどの情熱がその好きなことにあるのか、その好きなことは本当に自分が好きなことやりたいことなのかを考えることが大事なのではないかと思う。

本文の言葉で言うなら、その好きなことに”職人マインド”を持てるのかということだろう。

するのが好きと、そこで生まれる価値を提供するということの間には大きな壁があるのである。

 

この本を翻訳書であり、元のタイトルは「SO GOOD THEY CAN'T IGNORE YOU」である。

純粋に訳すとこのタイトルは付加価値というキャリア資本の蓄積を訴えるだけのものである。

そう考えると邦題である「今いる場所で突き抜けろ!」はパッと見たとき語弊があるように感じられる。

なぜなら、突き抜けることこそが本質な気がするからだ。

そのために手っ取り早いのが今いる場所ということになるのだろう。

 

まとめると、この本は好きなことと仕事という2つのことについて考えるいい機会になるだろう。

好きなことと仕事というのは多くの人にとって人生の大部分を占めることを踏まえると、大事な問題である。

ぜひ読んでみて今一度考えてみてくださいな!